• 「お子様おけいこごと事情」の著者に聞く、正しい習い事の選び方

    杉山 由美子さん

    杉山 由美子さん

    杉山 由美子さん
    教育ジャーナリスト。14年間の婦人雑誌の編集者を経て、次女出産を機にフリーライターに転身。女性が働くこと、子育てをテーマに数多くの取材、執筆活動を行う。著書に「お子様おけいこごと事情」(岩崎書店)、「数学オリンピック選手を育てた母親たち」(小学館)、「間違いだらけの塾選び」(WAVE出版)ほか、著書多数。

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    幼少期の習い事は技術や能力より
    夢中になる経験を学ばせる
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    最近は習い事も多様化して、一人のお子さんが習い事をいくつも掛け持ちして通うようになりました。この状況を行き過ぎだと感じる方もいるかもしれませんが、公教育がなかった江戸時代には寺子屋があり、お茶やお花、武道などを私費でやらせていた家庭も多くありましたから、教育熱心なのは今に始まったことではなく、もともと備わった日本人の優れた特質ではないかと思います。 ひとつの考え方として、何もせず家でだらだらと過ごすなら、外でいろいろな経験をしてきたほうが子供は豊かに育つと思いますし、有名大学に通うようなお子さんをお育てになるお母さんは、勉強だけでなく、運動系や芸術系もバランス良くやらせています。 皆さん、お子さんの才能を見つけるためにどんな習い事をさせるべきか迷うとおっしゃるけど、まずは子供が何に夢中になっているかを見てあげることが大切。いつも木登りをしている子と、家で本ばかり読んでいる子とでは、やりたいことが違うのは明白でしょう。幼児期の習い事は、夢中になって取り組んだ経験こそ将来の宝物になります。ill25逆にいえば、何かに夢中になったり、頑張った経験のない子供は他のことでも頑張ることができません。何を…ではなく、何かを夢中になってやること、仲間と一緒にやること、褒め合うこと、認め合うこと、上手くいかなくて泣いたり、できるようになって喜ぶ経験をたくさんさせてあげて下さい。

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    スクール選びは
    長期で通うことも想定して
    花
    習い事探しにネットやガイドブックを活用する親御さんも増えていると聞きます。習い事といっても、ピアノや水泳、英語、幼児教室、ただでさえいろいろな種類があるのに、最近ではさらに多様化し、ダンスと英語を合わせたものや、親子で一緒に学べる教室、大人同様の施設を利用できるお教室などハードもすごいので、ある程度絞り込むためにこうした情報を活用するのは良いと思います。 その時のポイントとしては、単純に知名度だけで決めないこと。人気の有名塾だと遠方でも電車で通う生徒もいますから、生徒数が集中しがちです。il01素晴らしいメソッドを掲げていらっしゃり、方法論も確立していると親御さんとしては魅力的なのですが、お子さんとの相性が合わなければ、身につきません。レッスン方法や先生がお子さんと相性が合うかどうか、体験レッスンや発表会などで一度見学して、どんなレッスンを行っているのか、先生は生徒に対してどう接しているのか、見に行くと良いでしょう。また、お子さんがある程度大きくなって、一人で通うようになった時、電車で片道1時間かかる場所に行かせられるか、ということも想定して選ぶと良いと思います。

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    習い事を長続きさせる秘訣は
    お母さんも一緒にやること
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    習い事選びのひとつに、お子さんがやりたいことをやらせるという親御さんも多いのですが、小さいお子さんは、とにかく好奇心が旺盛。何でもやりたい! やりたい! とやる気MAXなのですが、しばらくすると「つまらない」とか「やめたい」と言い始めることが多々あります。親御さんとしては、何としてでも続けさせなければという葛藤が生まれるのですが、ある程度辞めさせても良いという覚悟も必要です。 辞めグセをつけさせたくないという気持ちもあると思いますので、習い事を始める前にお子さんが本当にやりたいのか、気持ちを見極めるのも良いでしょう。これはある有名なバイオリン教室のメソッドなのですが、まずはお子さんの前でお母さんがバイオリンをやって見せ、興味があるか見定めます。その後、お子さんがやりたいと言っても、すぐにはやらせず、お母さんがやっているのをしばらく見せながら本気度を高まらせ、本格的に始めさせた後は、お母さんも一緒にやるという方法です。有名アスリートでも、親御さんがコーチで小さい頃から指導し、一緒にやっていた方が多いという例があるように、習い事はお母さんも一緒にやってあげるとお子さんも長続きしやすく、上達も早いのです。一番悪いケースは、どこに才能があるかわからないからと、とりあえず有名教室に通わせ、あとは先生任せというパターン。連絡帳に学習したことや、教室での様子を知らせても、何の反応もないのに、「いつ級に上がれるのか!?」il10「なぜ、レギュラーになれないのか!?」と結果だけを求めてしまいがちですが、幼児が週に1回1時間程度やったぐらいでは身につきません。水泳だったら教室以外の曜日に一緒にプールに行ってみたり、サッカーならボール蹴りをしたり、英語なら家で一緒に宿題をしたり、そういう努力も必要です。お子さんの上達や才能はお母さんの関心と応援があってこそ伸びるものなのだと心得てください。

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    人と触れ合い、新しいことにチャレンジ
    経験に勝る成長はなし
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    習い事は何歳が始めどきか? という質問もよく受けますが、今は0歳からでも始められるようカリキュラムに色々な工夫がなされているお教室が多いので、お子さんのエネルギー発散に繋がれば、何歳から始めても良いと思います。ただし、等級や将来へ影響を残したいと考えるなら、6歳ぐらいからが記憶に残りやすいと思います。また、嫌々続けさせてしまうと、その想いも記憶に残ってしまうので、楽しくやらせてあげると良いでしょう。たとえば、柔道や合気道などはマナーが身につきますし、野球やサッカーならチームワークや道具を大切にする習慣がつきます。こうしたことは家庭だけではなかなかしつけられないことなので、成長を実感する親御さんも多いそうです。また、核家族化・少子化が進む現代は、お子さん自身も学校や親以外の大人と接する機会がほとんどありません。杉山 由美子さん習い事とは、いろいろな大人と触れ合えるチャンスでもあります。幼児期は影響受けやすい時期ですから、指導者は信頼できる人格者であることが望ましいでしょう。また、他学年の子供たちと一緒にできる体験教室や、スポーツ競技は、ちょっと上のお兄さん、お姉さんから学ぶことを覚え、下の年代の子たちには教えることを覚えます。これは兄弟が少ないお子さんにとって貴重な経験になるでしょう。レッスン内容によっては少人数制、マンツーマンも必要だと思いますが、子供は競争したり、刺激を受け合うことでやる気が溢れ、力を伸ばしていくこともあります。習い事とは、子供たちにそういう機会を与える場でもあってほしいと思います。

     

    《 習い事選びの心構え 》

    • ●子供が夢中になるものを選ぶ
    • ●習い事や先生と、お子さんの相性を見て選ぶ
    • ●お母さんがお子さんと一緒にやって苦にならないものを選ぶ
    • ●信頼できる人格者の指導者のもと、子供が刺激し合える習い事を選ぶ

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